私はそれでは笑えない

 「学校へ行こう!MAX」という番組で上げ馬神事に情熱を燃やす高校生を取り上げていた。上げ馬神事とは三重県の多度大社と猪名部神社の例祭で、少年騎手が馬に乗り約100mの直線馬場の先にある絶壁をこえ、その成否で作況や景気を占うのだそうだ。
 成功すれば良いのだが、失敗すると馬から転落し、馬に蹴られ、踏まれ、突っ込まれ、引きずられる。最悪の場合では死亡者も起こるそうだ。普通はその様子を真剣に見たり、騎手や馬を心配したりするはずだと思う。しかし私の父は、その馬から転落し踏まれ蹴られている様子を見て爆笑しているのだ。
 馬も猛スピードで壁に激突してかわいそうだ。しかしまた父は馬が壁に激突すると爆笑するのだ。


 私は目を疑った。これで笑えるのかと。父の笑いのリテラシーの低さに愕然とした。親子なのにこんなに価値観が違うのか。お酒ばっかり飲んでないで、もっとお笑いに興味をもってリテラシーを高めてくれよっ!


 私はこれでは笑えない。価値観は人それぞれ違うと言われればそうかもしれない。だが少なくとも笑う場面ではないと思う。何で人が頑張ったあげく痛い目にあっているのに笑えるんだ。私は間違っていないはず。
 改めて「お笑い」って大事だと思った。どんなに歳をとっても笑いのリテラシーを高めること忘れないようにしたい。