学校には自殺したくなる空気がある

これはなるべく多くの教育関係者に見てもらいたい映画。特に思春期の子に関わる人々に。


学校には自殺したくなる空気がある。誰もが学生時代に思ったことがある、「自殺したい」という気持ち。私も思ったことがある。この映画はそれをうまく切り取って描いている映画である。

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これは簡単にいうと、学校である生徒が自殺するまでの半日を描いた映画。冒頭に誰かが死ぬということがわかる。それから、映像はその日の朝に戻り物語が始まる。出てくるどの生徒も悩みをもっていて、誰が死んでもおかしくないなというように見える。しかし最後に1人だけある生徒が自殺してしまう。


この映画は2回以上見ることをおすすめする。1回目見たときと2回目見たときとでは印象が全然違う。見せ方がとてもうまくて、初めて見たときは絶対それぞれの生徒の本性はわからないはず。2回目見るときは、この人は実はああいう人だよな、とわかっているから、なぜこの人があのときこういう行動をしたのかが次々わかってくる。


人には言えないことというのは、少なからず誰にでもあって、それが他人との壁になってしまう。それが積み重なって、壁に囲まれてしまうと孤独に陥り、自分の存在意義を見失ってしまう。


最後にある生徒が自殺するシーンは本当に痛々しい。
初め見たときは何で死んだのか正直わからなかった。2回目見て思ったのは、おそらく自分が誰からも必要とされていないんじゃないかという、「孤独感」や「存在意義」というものに関わっていると思う。


昨年「KY」という言葉が流行った。あまり好きな言葉ではない。
だけど、この自殺したくなる空気は読んでほしい。教師や親はもちろん、私たちみんながこの空気を読んで、取り払わなければならないと思う。
この世にいなくていい人なんていないと信じたい。